目次
PEファンドのビジネスは、
- 調達(ファンドレイズ)
- 投資(ソーシング、エグゼキューション)
- 運用(PMI、バリューアップ)
- 回収(Exit)
- 分配
の5つのステップから構成されています。
本記事では、
- 運用(PMI)
について整理します。
まずPEファンドビジネスの全体像について知りたいという方は、【図解】PEファンド転職希望者必見!ファンドビジネスの流れをご覧ください。
なお、本記事の内容はこちらの動画でもご覧いただけます。
《執筆者》
PEファンド・M&Aアドバイザリーの実務経験があるSOGOTCHA(ソガッチャ)スタッフが執筆しました。
PMIとは
PEファンドは、ソーシングで案件を発掘し、エグゼキューションで投資を実行した後、運用の段階に入ります。
運用は、大きくPMIとバリューアップの2つに分かれます。
- PMI…投資後短期的に行う統合作業
- バリューアップ…投資後中長期的に行う企業価値向上のための施策
PMIが投資後の守りを固める作業、バリューアップは攻めの作業にあたると言えます。
PMIの具体的な内容として、主に以下のようなものが挙げられます。
- DD検出事項への対応
- 課題の洗い出し
- 経営・財務指標の整備
- 労務管理
以下、これらの内容につき個別に検討していきます。
PMIの内容1. DD検出事項への対応
まず、DD検出事項への対応についてです。
PEファンドは、投資に先立つエグゼキューションの段階において、デューディリジェンス(DD)を通じて、会社の問題点や要対応事項につき把握しています。
これらDD検出事項については、重大なものや対応が容易なものについては、投資実行までに対処します。
具体的には、例えば価格条件に反映したり、問題事項への対応を取引実行の前提条件にしたりすることなどが挙げられます。
一方、投資実行までに対処が為されなかったDD検出事項については、投資後のPMIにて対応することとなります。
なお、時間がかかるものについては、その後のバリューアップのフェーズも含めて対応します。
PMIの内容2. 課題の洗い出し
次に、課題の洗い出しについてです。
PEファンドは、投資前のデューディリジェンス(DD)を通じて、ビジネスや財務税務、法務を中心に、会社の課題について一定程度は把握しています。
但し、投資前はあくまで外部者の立場から、会社の問題点を把握しているに過ぎません。
投資後、会社の内部者なった後、その立場からより正確な課題の把握に努めます。
具体的には、早期に可能な限り多くの役員・従業員と面談を実施し、会社の課題や問題点についての把握に努めます。
PMIの内容3. 経営・財務指標の整備
続いて、経営・財務指標の整備です。
投資後、PEファンドは投資先の業績管理や事業計画の策定を適切に行うべく、経営指標や財務指標の整備に努めます。
ここで、経営指標と財務指標につき言葉を使い分けていますが、各ワードの趣旨は以下の通りです。
- 経営指標…いわゆるKPI(Key performance indicator)に相当。投資先の業種や事業内容において重要となる指標を把握し、事業計画や予算策定・予実管理に利用する
- 財務指標…財務会計の数値に相当。月次試算表を早期・適切に作成できる体制を整えることがメイン
PMIの内容4. 労務管理
最後に、労務管理についてです。
近時、働き方改革などの影響もあり、労務面の管理体制が強化されつつありますが、中堅中小企業の場合、この面での整備が十分でないケースも多くあります。
通常、PEファンドはコンプライアンスの遵守等は最優先で対応するため、投資後早い段階で労務管理の適正化に努めます。
労務面の不備については、基本的にはDDの段階で把握されており、重大なものや簡易なものは投資実行までに対応し(不備を改善したり最終条件を調整することで対応)、時間がかかるものは投資後の対応となるのが一般的です。
まとめ
さて、今回はPEファンドのビジネスの流れにおけるPMIについて取り上げました。
なお、本記事の内容はこちらの動画でもご覧いただけます。
SOGOTCHA(ソガッチャ)では、オンラインでM&Aの相談を受け付けています。
PEファンド・M&Aアドバイザリーの実務経験があるSOGOTCHA(ソガッチャ)スタッフがサポートしますので、ぜひお気軽にご相談ください。