事業承継ファンドはどんな場合に活用できる?そのメリットは?

事業承継ファンドはどんな場合に活用できる?そのメリットは?

こんにちは!SoGotcha!スタッフです。

事業承継を検討する過程で、ファンドの活用が選択肢に挙がる場合もあると思います。

ファンドというと大型のM&A案件などがまず思い浮かびますが、近年は事業承継のシーンでもファンドが活用されています。

今回は、事業承継においてファンドを活用されるケースと、そのメリットについてわかりやすく解説していきたいと思います。

☆この記事を書いた人☆

PEファンド・M&Aアドバイザリーの実務経験があるSoGotcha!(ソガッチャ)スタッフが執筆しました。

PEファンドとは

さて、本記事では事業承継においてPEファンドを活用できるケースや、そのメリットについて解説していきます。

その前提として、ファンドやPEファンドとは何なのか、改めて整理しておきたいと思います。

本記事では簡単な説明に留めますが、【図解】投資ファンドの仕組みを解説!ファンドの利益はどこから生まれるのかに詳しく書いているので、興味のある方はこちらも合わせてご覧ください。

ファンドとは

ファンドとは

ファンドとは、投資家から預かったお金を少し増やして投資家に返すという仕組みのことです。

ファンドの仕組みについて順を追って整理すると、次のようになります。

① 投資家から資金を調達する

② 株式や債券、不動産などの資産を取得する(=投資する)

③ 取得した資産を一定期間運用する

④ 投資した資金を回収する(=新たな買い手に資産を売却する)

⑤ 回収した資金を投資家に分配する

なお、ファンドは資金の受け皿に過ぎないというのがポイント。

実際にファンドを運営しているのは、ファンドの運営会社であるジェネラル・パートナー(GP)です。

★この内容を動画でチェック!

ファンドのビジネスの流れは??/ファンド(2)【M&Aのプロが解説!】

プライベート・エクイティ・ファンドとは

プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)とは

プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)は、ファンドの一種です。

ファンドをその投資対象によって分類すると、大きく次の3種類に分類できます。

  • 株式ファンド
  • 債権ファンド
  • 不動産ファンド

株式を中心に投資する株式ファンドのうち、非上場株式を中心に投資するファンドをプライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)といいます。

事業承継のシーンにおいては、このPEファンドが主役となります。

PEファンドは、「バイアウトファンド」と呼ばれることもあります。

以下、「ファンド」と記載するものは全てPEファンドを指していると思って読み進めてください。

★この内容を動画でチェック!

PEファンド(2)ファンドの中でもM&Aに登場するPEファンドって??【M&Aのプロが解説!】

事業承継においてファンドを活用するケース

事業承継においてファンドを活用するケース

それではここから、事業承継においてどのようにファンドを活用するのが賢いのか、一つ一つ見ていきたいと思います。

まず、事業承継のシーンでファンドの活用を薦められるケースは大きく2つあるでしょう。

それは、

  • 会社を任せられる後継者がいない場合
  • 後継者はいるが、資金が不足している場合

のいずれかだと思います。

会社を任せられる後継者がいない場合、PEファンドがその後継者となることができます。

PEファンドはM&Aを生業としていますから、いわば経営のプロです。

なお、PEファンドはあくまでファンドなので、一定期間が経った後はまた新たな買い手に会社を託すことになります。

その時は、PEファンドは事業についての知見や人的ネットワークを駆使し、その会社を任せられるより良い買い手を探します。

一方、会社を任せたい後継者がいるものの、株式を取得する資金が足りないという場合にも、PEファンドを活用できます。

PEファンドから資金を調達し、その後継者に会社を継いでもらうのです。

これはいわゆるファンドMBOのスキームです。

ファンドは、資金だけでなく人やノウハウも提供します。

すなわち、事業を承継する時点で後継者の方の経営者としての経験やスキルが不足していたとしても、ファンドが二人三脚のように支えることができるのです。

もしファンドに経営権を取られることに対して不安があるのでしたら、ファンドに無議決権優先株式の形で出資してもらう方法もあります。

それでも、「ファンドが関与するのが心配」ということもあるでしょう。

その場合は、金融機関から資金を調達するローン型MBO(デットMBO)を検討し、両者を比較して判断するのをオススメします。

ファンドMBOについては【図解】MBOの資金調達方法別のメリットとデメリットを比較!ファンドMBOの場合で詳しく解説していますので、このケースに当てはまるのであれば、ぜひご一読ください。

もし判断に迷う場合は、SoGotcha!MOAなどの相談サービスを利用するのも一つです。

★この内容を動画でチェック!

PEファンドの活用場面 概要(1)事業承継における活用方法は??【M&Aのプロが解説!】

事業承継においてファンドを活用するメリット

事業承継においてファンドを活用するシーンは大きく2つあると言いました。

それでは、それぞれのシーンにおいて、ファンドを活用するメリットを考えてみましょう。

会社を任せられる後継者がいない場合

事業承継においてファンドを活用するメリット(後継者がいない場合)

ファンドを会社の次の後継者として選ぶ場合、このようなメリットがあります。

  • 事業を承継できる
  • 同業への承継を避けられる
  • 株式を現金化できる
  • 急いでいる場合も対応可能
  • ファンドの経営支援を期待できる

まず、事業を承継できる・同業への承継を避けられるという2点について詳しく説明します。

事業を次の後継者に引き継ぎたいけれども、社内に後継者がいない場合、第三者への承継(売却)という選択肢が思い浮かぶでしょう。

そして、その買い手が承継後も事業を継続させていくためには、ある程度の経営ノウハウが必要です。

となると、親和性の高い同業他社への売却が考えられます。

しかし、同業他社への売却はリスクを伴います。

その買い手に悪意がなければいいのですが、もし悪意があった場合です。

例えば、その会社を買う気もないのに買収監査だけ実施し、会社の重要な情報を取られてしまうかもしれません。

その点、ファンドは基本的には同業ではないので、そのようなリスクはありません。

すなわち、

  • 社内に後継者はいないけど、事業を譲り渡したい
  • とはいえ、同業への承継はしたくない

という2つの希望を実現できるということです。

次に、株式を現金化できるというメリットについてです。

もし相続や贈与で事業を譲渡したら現金を受け取れませんが、M&Aによって売却した場合は、現金を受け取ることができます。

我々が事業承継・M&Aの現場で感じることは、「後継者に会社を引き継ぐ=相続や贈与で後継者に譲り渡す」と考えている方がほとんどだということです。

まだ先の話かもしれませんが、将来現社長が逝去された際に発生する相続税の納税資金を確保する(=相続税対策)という意味でも、手元に現金を準備しておくということは必要な備えなのではないでしょうか。

さて、後継者がいない場合のメリットとして、最後に急いでいる場合も対応可能・ファンドの経営支援を期待できるという点にも触れておきましょう。

これはいずれも、ファンドの運用者であるジェネラル・パートナー(以下、GP)がM&Aのプロフェッショナルであることがその理由です。

GPはその豊富な経験から、M&Aの検討をスピーディに行うことができ、また投資先の企業価値向上のためのノウハウを持っています。

現社長がもし何らかの理由で事業の売却を急いでいたとしても、GPはそのスピード感に対応できる可能性があります。

また、自身が退いた後の会社の経営を不安に思っている場合でも、経営の経験がない第三者に譲り渡すよりは、事業継続の可能性が高いと言えるでしょう。

後継者はいるが、資金が不足している場合

事業承継においてファンドを活用するメリット(後継者はいるが資金が不足している場合)

次に、こちらのケースのメリットも整理していきましょう。

  • 後継者に事業を承継できる
  • 株式を現金化できる
  • 急いでいる場合も対応可能
  • ファンドの経営支援を期待できる

見てわかる通り、2つ目以降は上記ケースと同様ですね。

ここでは、後継者に事業を承継できるという点についてだけ、解説します。

会社を譲りたい後継者の方の資金が不足していたとしても、ファンドから資金を調達することで、その方に会社を譲ることができます。

これはファンドではなく金融機関からローンを調達することでも実現可能ですが、それぞれのメリット・デメリットを総合的に検討して判断しなければなりません。

ローンを利用する場合とファンドを利用する場合の比較は【図解】MBO(マネジメントバイアウト)の資金調達方法別のメリットとデメリットを比較!で詳しく解説しています。

もし外部から資金を調達して後継者への事業承継を実現したいと考えている場合は、こちらの記事は参考になると思います。

★この内容を動画でチェック!

PEファンドの活用場面(1)事業承継① 後継者がいない場合、PEファンドをどう使うか??【M&Aのプロが解説!】

PEファンドの活用場面(2)事業承継② 後継者がいる場合、PEファンドをどう使うか??【M&Aのプロが解説!】

まとめ

さて、今回は事業承継のシーンでどのようにファンドが活用されるのかについて解説しました。

本ブログでも何度か触れていますが、近年ますます事業承継とファンドは近い関係になってきていますね。

それでは、また次回お会いしましょう!

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