2021年4月のPEファンドによるM&Aニュース

2021年4月のPEファンドによるM&Aニュース

2021年4月のPEファンドによるM&Aニュース

前回のM&Aニュース以降に公表されたプライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)による主なM&A案件は、以下の通りです。

公表日買い手対象会社売り手備考
4月1日アドバンテッジ
パートナーズ
ビアメカニクスロングリーチ
グループ
セカンダリー
バイアウト
4月12日経営陣神田電子工業MCP
パートナーズ
MBO
4月15日UTグループアーキ・ジャパンJ-STAR20%のみ
4月16日SMBCキャピタル
パートナーズ
ランド開発一部出資
4月23日UTグループプログレス
グループ
ライジング
・ジャパン
・エクイティ
4月23日百五みらい投資ゼノア環境装置ハスクバーナ
・ゼノア
4月28日ベインキャピタル、
日本産業
パートナーズ、
ジャパン
・インダストリアル
・ソリューションズ
日立金属日立製作所、
一般株主
TOB

個別案件の概要

各案件の概要は、以下の通りです。

なお、以下の内容は公開情報に基づき作成しているため、実際のスキームとは異なる可能性もある点、ご了承ください。

また、PEファンドそのものについての理解を深めたい方は、こちらの資料や動画もご参照ください。

▽関連資料:ファンドガイドブック

▽関連動画

アドバンテッジパートナーズによるロングリーチグループ投資先であるビアメカニクスへのセカンダリーバイアウト

アドバンテッジパートナーズによるロングリーチグループ投資先であるビアメカニクスへのセカンダリーバイアウト

アドバンテッジアドバイザーズは、1997年にファンド運営を開始した日本のファンド運営会社の草分け的存在で、国内のバイアウトのみならず、PIPEs(上場企業マイノリティ投資)やアジアでの投資業務も行っています。

ロングリーチグループは、香港・東京を拠点とし、製造業・テクノロジー、コンシューマ、ビジネスサービス、金融サービスの分野を投資対象としているファンド運営会社です。日本国内での投資を中心に、2020年末時点で累計16件・約1,400億円の投資実績があります。

ビアメカニクスは、1968年に日立製作所傘下で設立された、半導体パッケージ基板並びにプリント基板を対象とした、レーザー加工機及びドリル穴明機の製造 ・販売・保守サービスを手掛けているグローバルメーカーです。

2013年11月、ロングリーチグループは、日立製作所からビアメカニクス株式会社の株式100%を取得しました。そして約7年の投資期間を経て、アドバンテッジパートナーズを買い手としてExitを果たしました。

MCPパートナーズによる神田電子工業のExit(MBO)

MCPパートナーズによる神田電子工業のExit(MBO)

MCPパートナーズ(旧みずほキャピタルパートナーズ)は2021年にみずほグループから独立したファンド運営会社で、バイアウトファンドとメザニンファンドを運営しています。

神田電子工業は、1968年に設立された電子部品の販売事業を行う会社です。

MCPパートナーズは2017年に創業者からの事業承継により資本参画し、約4年間の投資期間を経て、対象会社の現経営陣によるMBOにより、今次のExitに至りました。

J-STARによるアーキ・ジャパンのExit(一部)

J-STARによるアーキ・ジャパンのExit(一部)

J-STARは、JAFCO出身者が設立した独立系のファンド運営会社で、これまでに3つのファンドを組成・運営しています。

アーキ・ジャパンは、自社で採用したエンジニアを、建設業界に特化した研修を行うグループ会社を通じて育成し、大手ゼネコンを中心とした全国の取引先へ派遣する事業を行なっています。

J-STARは2021年2月にアーキ・ジャパンへ資本参加し、2ヶ月後の2021年4月、アーキ・ジャパン持株会社の株式20%を人材派遣事業を行うUTグループへ譲渡しました。

SMBCキャピタルパートナーズによるランド開発への投資案件(一部出資)

SMBCキャピタルパートナーズによるランド開発への投資案件(一部出資)

SMBCキャピタルパートナーズは、三井住友銀行の投資専門子会社として2020年2月に設立されました。

ランド開発は、山梨県、長野県、静岡県で健康ランドやビジネスホテルを運営する株式会社クア・ランド・ホテルを運営しています。

今回、SMBCキャピタルパートナーズは、ランド開発の発行済普通株式の一部を取得し、資本参加しました。

ライジング・ジャパン・エクイティによるプログレスグループのExit

ライジング・ジャパン・エクイティによるプログレスグループのExit

ライジング・ジャパン・エクイティは、SMBC日興証券・住友商事・三井住友信託銀行といった三井・住友グループを主たる株主とするファンド運営会社です。

プログレスグループは、愛知県を中心に岐阜県、三重県、長野県、茨城県に事業拠点を構え、自動車及び自動車部品、電子部品、ゴム製品などの製造業を中心とした人材派遣事業等を行う企業です。

ライジング・ジャパン・エクイティは、2019年7月にプログレスグループに出資し、2年弱の投資期間を経て、その全株式を人材派遣事業を行うUTグループへ譲渡しました。

百五みらい投資によるゼノア環境装置への投資案件

百五みらい投資によるゼノア環境装置への投資案件

百五みらい投資は、百五銀行の100%子会社で、事業承継に悩みを抱える中小企業への投資を目的に2019年12月に設立されました。

ゼノア環境装置は、農林・造園機器メーカーであるハスクバーナ・ゼノアが2021年6月に新設する破砕ポンプおよび周辺機器部品の製造、修理、販売を行う企業です。

百五みらい投資は、円滑な事業承継支援などを目的とし、2021年6月30日にゼノア環境装置の株式を取得するとのことです。

ベインキャピタル・JIP・JISによる日立金属への投資案件

ベインキャピタル・JIP・JISによる日立金属への投資案件

本件は、ベインキャピタル、日本産業パートナーズ、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズの3ファンドが共同で日立金属を買収するTOB案件です。

ベインキャピタルは、米国を本拠地とする大手のPEファンド運営会社です。2006年の日本進出以降、約20件の投資実績を有しています。

日本産業パートナーズ(JIP)は、当初みずほグループのファンド運営会社でしたが、現在は独立系のファンド運営会社となっています。カーブアウト案件を中心とした大型の投資実績があります。

ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS)は、日本政策投資銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行が主体となって2010年に設立されました。優先株式などの種類株式での投資が中心ですが、2号ファンド以降は普通株式での投資も増加しています。

日立金属は、1956年に日立製作所の完全子会社として設立された会社で、「金属材料」「機能部材」の2つの事業で構成されています。

今回、ベインキャピタル連合が、一般株主に対して株式公開買付(TOB)を実施します。その後、日立金属による自己株式取得などを通じ、最終的にベインキャピタル・JIP・JISの3社が実質的な単独株主となるとのことです。

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