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M&Aにおいて、本格的な検討に入る前に基本合意書を締結するのが一般的です。
本格的な検討とは、すなわち買収監査(デューディリジェンス)のこと。
デューディリジェンスには相当の負担がかかるため、お互い真剣に検討する旨を予め書面にしておくプロセスです。
なお、M&A全体の流れについて知りたい方は、【図解】M&Aの一連の流れと6つのプロセス【詳細解説】をご覧ください。
また、本記事の内容はこちらの動画でもご覧いただけます。
《執筆者》
PEファンド・M&Aアドバイザリーの実務経験があるSOGOTCHA(ソガッチャ)スタッフが執筆しました。
基本合意とは
まず初めに、M&Aの全体の流れを簡単に確認しておきましょう。
- 売り手の準備
- 買い手の準備
- 打診/初期検討
- 打診
- 初期検討
- 基本合意 ←ここ
- 買収監査(DD)
- 最終契約
- 取引実行
本記事では、基本合意について検討します。
基本合意は、M&Aにおける買収監査(DD)を実施し、双方がM&Aを本格的に検討することにつき合意することを指します。
買収監査(DD)には買い手・売り手共に相応のコストや負担が生じるため、「お互い真剣に検討しましょう」という趣旨につき合意し、基本合意書として書面にするものです。
基本合意書は、
- MOU(エムオーユー、Memorandum of Understanding)
- LOI(エルオーアイ、Letter of Intent)
などとも呼ばれます。
基本合意のフェーズは、以下の2つのステップから成ります。
- 基本合意書の作成
- 基本合意書の締結
以下、各項目につき検討していきましょう。
1. 基本合意書の作成
まず、基本合意書の作成についてです。
売り手と買い手候補先は、双方共にM&Aを本格的に検討することを確認すべく、基本合意書を作成します。
基本合意書は、売り手と買い手候補先の双方が捺印します。
そのため、両者共に内容を検討・確認し、必要であればコメント・修正する、いわゆるドキュメンテーションの作業が生じます。
売り手または買い手の一方が基本合意書のベースをドラフトし、他方がそれにコメント・修正し、双方でドラフトをやり取りすることで、調印版を確定します。
また、基本合意書の主な記載内容は、以下の通りです。
- M&Aスキーム
- 取引対象
- 取引価格
- スケジュール
- 買収監査(DD)への協力
- 独占交渉権(Exclusivity)の付与(独占交渉期間の設定)
- 秘密保持
なお、各項目はあくまで現時点での想定事項であり、「買収監査(DD)への協力」や「独占交渉権の付与」「秘密保持」などの条項を除き、法的拘束力を有しないのが一般的です。
2. 基本合意書の締結
売り手と買い手候補先は、基本合意書のドラフトを経て、その内容に合意した場合、基本合意書を締結します。
まとめ
以上が、基本合意書の作成と締結のプロセスです。
両者は基本合意書の締結を経た後、買収監査(DD)のステップに進むこととなります。
買収監査については、【図解】M&Aにおける買収監査(デューディリジェンス)の流れで取り上げていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
なお、本記事の内容はこちらの動画でもご覧いただけます。
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