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令和2年3月に、経済産業省が中小M&Aガイドラインを策定しました。
これは、社会問題となっている中小企業の後継者不足を理由とした廃業を少しでも無くすため、第三者への事業引継ぎを後押しすべく公開しているガイドラインです。
その中で、具体的なM&Aの事例がいくつか紹介されています。
非常に参考になりますので、SoGotcha!で動画にしました。
今回は、残念ながら何らかの理由により中小M&Aが成立しなかった事例です。
より直感的な理解に役立てば幸いです。
プラスアルファ、私たちがM&Aの現場で日々感じている中小M&Aの実情などもお伝えします。
ただし、これらはあくまで一例です。念のため、中小M&Aガイドラインの但書を引用しておきます。
(引用)なお、ここに記載する事例は、それぞれ、あくまで一例であり、網羅的なものではなく、個別の具体的な中小M&Aが、ここに記載する事例のとおりの結論になることを確約するものではないため、留意されたい。
引用元:中小M&Aガイドライン~第三者への円滑な事業引継ぎに向けて~
《執筆者》
PEファンド・M&Aアドバイザリーの実務経験があるSOGOTCHA(ソガッチャ)スタッフが執筆しました。
中小M&A不成立事例
① 中小M&A着手が遅れたため、資金繰りが尽きてしまい、中小M&Aが不成立に終わり廃業した事例
② 社外へ情報が漏れたことに伴い、中小M&Aが不成立になった事例
③ オーナー一族間の不和、コミュニケーション不足により、中小M&Aが不成立になった事例
④ 譲り渡し側が不誠実であったため中小M&Aが成立しなかった事例
中小M&Aの実情
実のところ、M&Aの成否に関して最も重要なのは売り手と買い手の信頼関係です。
これは、価格や諸条件よりも重要です。
売り手の方にとって、会社はそれまでの人生において多くの時間を捧げてきたものです。
新たな買い手に譲ったからといって、その後、蔑ろにされていいとは思いません。
また、買い手の方にとっても、会社を買うということは重大な決断です。
その会社の歴史や信用、従業員や取引先など、すべてひっくるめて引き受けるということですから。
当然慎重になりますし、多くの情報について事前に検討したいと思うでしょう。
すなわちM&Aとは、売り手と買い手双方にとって重要な取引だと言えます。
勿論、企業価値評価やスキーム、契約関連などの知識も重要ですが、まずは相手に対して敬意を持って真剣に取り組むことが、事業承継・M&Aを成功させる秘訣です。
まとめ
さて、今回は中小M&Aガイドラインに記載されている、M&Aが成立しなかった事例についてご紹介しました。
同じ轍を踏まないためにも、このガイドラインやSoGotcha!などのメディアを活用し、良い形で事業承継・M&Aを実現してほしいと願っています。