目次
「M&Aで会社や事業を買収することを検討しているけど、何から始めたらいいのかわからない・・・」
という方のために、本記事では、M&Aの取引に先立ち、買い手が準備すべき3つのポイントについて整理します。
なお、M&A全体の流れについて知りたい方は、【図解】M&Aの一連の流れと6つのプロセス【詳細解説】をご覧ください。
また、本記事の内容はこちらの動画でもご覧いただけます。
《執筆者》
PEファンド・M&Aアドバイザリーの実務経験があるSOGOTCHA(ソガッチャ)スタッフが執筆しました。
M&Aにおける買い手の準備
M&Aの買い手がM&Aに先立ち準備すべきことして、主に以下の3つが挙げられます。
- M&Aによる買収方針決定
- ターゲット企業の選定
- M&Aアドバイザーの選定
以下、各項目につき検討していきましょう。
M&Aによる買収方針決定
まず、買い手はM&Aを実施するという方針を決定します。
当然の事ながら、急に「よし、M&Aをしよう!」と思い立つわけではありません。
多くの場合、会社としてのビジョンや成長シナリオを考える中で、「ここを伸ばしたい」「ここを補強したい」というニーズから、その一手段としてM&Aが選択されます。
M&Aを経営戦略のひとつとして実施する場合、その目的として例えば以下のようなものが挙げられます。
- 時間を買う…自社の営業努力やマーケティングだけでは成長速度に限界があるため、成長のための時間を買うという趣旨でM&Aを実施する
- アカウントを買う…自社ではリーチできていない顧客にアクセスするため、アカウントを買うという趣旨でM&Aを実施する
- 知識を買う…自社では持っていない技術やノウハウを取得するため、知識を買うという趣旨でM&Aを実施する
M&Aを検討する買い手には、M&A専門家などから多くの案件が持ち込まれます。
但し、おそらくどの案件も買い手にとって正に思い描いていた通りの案件というものはなく、
- 業種は希望通りだが、地域的には希望と異なる
- 業種も地域も希望通りだが、サイズが希望より小さい/大きい
- 正に希望通りの内容だが、値段が高い
というように、いずれも一長一短があるのが普通です。
この辺り、身近なところでは、自宅の不動産選びにも似ていると思います。
このような場合、M&Aの目的を明確化しておく事で、何を優先するかという点に立ち返ることができるため、買い手にとってのM&Aの方針決定のプロセスは極めて重要です。
ターゲット企業の選定
M&Aの方針決定に続き、次はターゲット企業を選定します。
ターゲット企業の選定に際しては、例えば同業他社や取引先などで具体的な候補先がある場合は、それらがターゲット企業となります。
一方、具体的なターゲット企業がない場合、以下のような軸を基準として、候補先を絞り込んでいきます。
- 業種
- 事業規模
- 地域
- 取扱製品
- 買収可能価格(M&Aの予算・投資規模) など
M&A仲介会社やFAなどのM&A専門家に案件紹介を依頼する場合は、これらの点を明確にしておくと、ターゲット企業により近しい案件の紹介を受けることができます。
M&Aアドバイザーの選定
続いて、M&Aアドバイザーの選定についてです。
買い手の場合、このタイミングでM&A専門家をアドバイザーとして選定し、ターゲット企業へのアプローチや案件紹介を受けることもあります。
但し、アドバイザーの選定のタイミングはケースバイケースであり、このタイミングでの選定はそれほど多くはありません。
なぜなら、実際にどの程度M&Aの案件が進展しそうか分からないからです。
このため、実際にはM&Aの進捗にある程度目処がつく基本合意の前後で、正式にM&A専門家に委託するケースが多いです。
もし準備段階からM&A専門家に業務を委託する場合、買い手に代わって彼らにターゲット企業に接触してもらい、売り手のM&Aの意向(そもそも売却の余地があるのか など)を探ってもらったり、あるいは買い手が希望するターゲット企業を積極的に紹介してもらったりすることが考えらえれます。
まとめ
さて、今回はM&Aの買い手が準備すべき3つのポイントについて取り上げました。
準備が整ったら、次は初期的な検討のステップに進みます。
初期検討については【図解】M&Aの初期的な打診/検討のプロセス【M&Aの流れ】で詳しく取り上げていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
なお、本記事の内容はこちらの動画でもご覧いただけます。
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