【図解】会社分割と事業譲渡の違い!債権者保護・従業員・契約・許認可の承継 | M&A・事業承継ならSOGOTCHA(ソガッチャ)

会社分割と事業譲渡の違い!債権者保護・従業員・契約・許認可の承継

会社分割と事業譲渡の違い!債権者保護・従業員・契約・許認可の承継

会社分割と事業譲渡は似て非なるスキームです。

本記事では、債務や労働契約(従業員)、契約全般、許認可の承継においてどのような違いがあるのか/それぞれどのような対応をしなければならないのかという点にスポットライトを当ててご紹介します。

《執筆者》

PEファンド・M&Aアドバイザリーの実務経験があるSOGOTCHA(ソガッチャ)スタッフが執筆しました。

会社分割と事業譲渡のスキーム

会社分割と事業譲渡のスキーム

会社分割と事業譲渡は、いずれも一部の事業を取引対象とする場合に使用されるM&Aスキームです。

会社全体を取引対象とする株式譲渡や合併などとは違い、一部の事業であるという点がポイントです。

会社分割と事業譲渡は一見するとよく似たスキームですが、その過程においては様々な違いがあるため、実際のM&Aの場面では売り手や買い手のニーズに合わせて使い分けられています

なお、会社分割には4つの類型がありますが、事業譲渡と同様の効果をもたらすのは分社型吸収分割のため、本記事における会社分割は分社型吸収分割を前提として進めます。

本記事では、債務や労働契約(従業員)、契約全般、許認可の承継にスポットライトを当てて解説します。

一方、会社分割と事業分割のスキームの違いなどの前段の話題については、【図解】会社分割と事業譲渡の違い!各スキームを比較しますの記事で取り上げていますので、ぜひあわせてご覧ください。

会社分割と事業譲渡で承継できるもの/承継できないもの

会社分割と事業譲渡で承継できるもの/承継できないもの

会社分割と事業譲渡の根本的な違いとして、会社分割は包括承継事業譲渡は個別承継であるという点があることは、上記リンク先の記事で触れました。

すなわち、会社分割は契約などを承継する際に、一定の労働者保護手続や債権者保護手続などを実施すれば、相手方の個別の同意を取得することなく包括的に承継できますが、事業譲渡においてはそれぞれの個別同意を取得する必要があります。

この点について、もう少し深掘りしていこうと思います。

会社を分割する/事業を譲り渡すということを分解していくと、例えば次のようなものを売り手から買い手に譲渡することであると整理できます。

  • 債務
  • 労働契約(従業員)
  • 契約
  • 許認可

そして、これらはM&A取引において非常に重要な論点になってきます。

また、会社分割と事業譲渡で取り扱いが異なるものもあり、スキームを決定する上で慎重に検討すべき要素です。

それぞれの要素について会社分割と事業譲渡でどのような違いがあるのか、表にまとめました。

会社分割事業譲渡
債務債権者保護手続きが必要。なお、債権者の個別同意は不要債権者保護手続きは不要。但し、債権者の個別同意が必要
従業員労働者保護手続きが必要。なお、従業員の個別同意は不要。また、対象従業員は分割対象の事業に主として従事しているかどうかなどの3つの基準によって決定される労働者保護手続きは不要。但し、労働者の個別同意が必要。また、対象従業員は買い手が選定する
契約包括承継のため、契約相手方の個別同意は不要個別承継のため、契約相手方の個別同意が必要
許認可原則承継できないため、買い手(承継会社/譲受会社)が新たに取得する必要がある

このように、包括承継である会社分割では個別の同意を取得する必要がなく簡易な手続きで移転を進めることができますが、債務や労働契約の移転については一定の保護手続きが必要であることがわかります。

なお、会社分割における対象従業員の決定方法がやや複雑なので、少し丁寧にご紹介します。

会社分割における承継対象従業員の決定方法

会社分割においては、次の3つの基準から承継対象となる従業員が決まります。

  1. 分割対象の事業に主として従事しているか否か
  2. 分割契約で承継対象とされているか否か
  3. 承継対象となっていること/いないことに対する異議があるか否か

前提として、分割対象の事業に主として従事している従業員は承継対象となります。

この前提に反している場合で、従業員自身がその決定に異議がある場合、その異議は認められます。

それぞれの組み合わせについて、個別に検討してみましょう。

  • 分割対象の事業に主として従事している
    • 分割契約で承継対象となっている
      • 異議なし…当然に承継対象となる
      • 異議あり…そもそも異議を述べることができず、当然に承継対象となる
    • 分割契約で承継対象となっていない(前提に反している)
      • 異議なし…従業員が納得しているため、分割契約に従って承継されない
      • 異議あり…異議が認められ、承継対象となる
  • 分割対象の事業に主として従事していない
    • 分割契約で承継対象となっている(前提に反している)
      • 異議なし…従業員が納得しているため、分割契約に従って承継対象となる
      • 異議あり…異議が認められ、承継対象となる
    • 分割契約で承継対象となっていない
      • 異議なし…当然に承継されない
      • 異議あり…異議は認められず、承継されない

すなわち、従業員による転籍拒否は、分割対象に主として従事している場合は認められませんが、主として従事していない場合は認められるということです。

なお、分割や譲渡の対象となる従業員の退職金については、売り手・買い手間の交渉事項となるケースが多いです。

売り手側で一旦精算するか、あるいは買い手側に承継するかという選択をすることになりますが、いずれにせよ、譲渡対価(価格)の調整事項となることが一般的です。

▽関連動画:【会社分割と事業譲渡の違い】承継対象となる従業員の範囲【M&Aのプロが解説】

まとめ

さて、今回は会社分割と事業譲渡における債務や契約等の移転について比較しました。

スキームの全体的な違いも含め、検討の材料になったなら幸いです。

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