【図解】M&Aにおけるクロージングのプロセス【M&Aの流れ】

【図解】M&Aにおけるクロージングのプロセス【M&Aの流れ】

「株式譲渡契約書を締結したから、あとは実際に株式を譲渡する/入金するだけ!」

・・・と思っていませんか?

M&Aにおいては、契約締結と取引実行との間に一定の期間を設け、取引実行のための前提条件を充足するのが一般的です。

また、取引実行後も、一定期間、売主に一定の義務が課される場合があります。

本記事では、最終契約締結後の流れについて解説します。

なお、M&A全体の流れについて知りたい方は、【図解】M&Aの一連の流れと6つのプロセス【詳細解説】をご覧ください。

また、本記事の内容はこちらの動画でもご覧いただけます。

《執筆者》

PEファンド・M&Aアドバイザリーの実務経験があるSoGotcha!(ソガッチャ)スタッフが執筆しました。

M&Aにおける取引実行とは

まず初めに、M&Aの全体の流れを簡単に確認しておきましょう。

  1. 売り手の準備
  2. 買い手の準備
  3. 打診/初期検討
    1. 打診
    2. 初期検討
  4. 基本合意
  5. 買収監査(DD)
  6. 最終契約
  7. 取引実行  ←ここ

本記事では、上記流れのうち、取引実行につき検討します。

取引実行フェーズは、M&Aの最終局面であり、売り手は譲渡の対象となる会社(株式)や事業を買い手に譲渡し、買い手はその対価を支払います。

取引実行は、「クロージング」や「決済」と呼ばれる場合もあります。

取引実行までの具体的なプロセス

「G. 取引実行」の構成

取引実行までのステップは、主に以下の4項目から構成されています。

  1. 前提条件の充足
  2. 取引実行
  3. 取引実行後の遵守事項(もしあれば)
  4. 承継手続の実施

以下、各項目につき検討していきましょう。

1. 前提条件の充足

g1. 前提条件の充足

まず、前提条件の充足についてです。

M&Aにおいては、契約締結と取引実行との間に、一定の前提条件充足期間を設けるのが一般的です。

例えば、

  • 3月14日契約締結、3月31日取引実行
  • 2月28日契約締結、3月31日取引実行

というように、数週間から1ヶ月、長いと数ヶ月から半年程度の前提条件充足期間を設定することがあります。

前提条件充足期間とは、最終契約書で規定された前提条件を充足するための期間です。

前提条件とは、M&Aの取引を実行するために充足する必要がある条件のこと、すなわち取引実行のための前提条件を指します。

前提条件は、「CP(シーピー:Conditions precedentの略)」や「プレクロ(Pre-closing conditionsの略)」などとも呼ばれます。

前提条件の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • チェンジオブコントロール条項への対応
  • 株式譲渡の承認決議
  • 許認可の取得・移転  など

基本的に前提条件は、M&Aの取引を実行するために充足する必要がある条件であるため、最終契約書で規定された前提条件が充足されない限り、原則的にはM&Aの取引は実行されません。

ただし、前提条件の中でも軽微なものが充足されないがために取引が実行されないようなシチュエーションを避けるため、「前提条件を充足していない場合でも、取引の相手方が当該条項の充足を免除すれば、取引実行できる」という趣旨の文言が入っているのが一般的です。

2. 取引実行

g2. 取引実行

次に、取引実行のステップについてです。

このステップでは、売り手はM&Aの取引対象となる会社(株式)や事業を買い手に譲渡し、買い手はその対価を支払います。

先述の通り、「クロージング」や「決済」などとも呼ばれます。

最終契約書の定めに従い、前提条件の充足を確認して、取引実行日(クロージング日)に実施します。

この取引実行をもって、M&Aは完了します。

3. 取引実行後の遵守事項

g3. 取引実行後の遵守事項

最終契約書にて、M&Aの取引実行後も、一定期間売主に課せられる義務が規定されている場合があります。

例えば、

  • 売り手による買い手への一定期間の業務の引継
  • 主要な得意先への挨拶回り
  • 一部事業の譲渡の場合における経理・総務などの機能の一定期間の提供 など

売り手は、最終契約書の規定に従い、一定期間これらの義務を全うすることとなります。

4. 承継手続の実施

g4. 承継手続の実施

最後に、承継手続の実施についてです。

買い手は、M&Aの取引実施後は、新たな親会社や株主などの立場で対象会社/事業を管理監督する立場になります。

これに伴い、株主名簿の名義書換や役員の変更などの形式的な対応も行いつつ、経営幹部・従業員との面談や取引先との関係把握などの実質的な対応も行います。

これらは、PMI(ピーエムアイ:Post merger integration)と呼ばれるM&A実施後の統合段階に当たりますが、M&A後の円滑な統合・承継が進むよう、形式面・実態面の双方から対応していくことになります。

まとめ

以上が、M&Aの流れの最終段階である、取引実行フェーズです。

M&A流れを始めから知りたい方は、【図解】M&Aの一連の流れと6つのプロセス【詳細解説】をご覧ください。

なお、本記事の内容はこちらの動画でもご覧いただけます。

SoGotcha!(ソガッチャ)では、オンラインでM&Aの相談を受け付けています。

PEファンド・M&Aアドバイザリーの実務経験があるSoGotcha!(ソガッチャ)スタッフがサポートしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら
COMPANY会社概要
CONTACT問い合わせ MATERIALS資料ダウンロード