横浜銀行の人材育成戦略|ソリューション人材

横浜銀行の人材育成戦略|ソリューション人材

横浜銀行の人材育成戦略|ソリューション人材

こちらの記事では、横浜銀行(コンコルディア・フィナンシャルグループ)の人材戦略の全体像を取り上げました。

本記事では、同行の人材戦略の中でも人材育成戦略に焦点を当てて掘り下げます。

主なポイントは、こちらです。

・横浜銀行がフォーカスしているのは、ソリューション・カンパニーを実現するためのソリューション人材及びデジタル戦略を担うIT・デジタル人材の育成。

・ソリューション人材の育成には人的資本投資・教育研修投資の他、スキル認定制度などが活用されている。

・IT・デジタル人材の育成には、選抜型実務研修「DXアカデミー」を実施。修了者には「DXライセンス」を認定。

・タレントマネジメントシステムの導入により、「スキルの可視化」と「適材適所の人材配置」の実現を目指している。

以下、詳しく見ていきます。(同行の資料では「人財」という表記が用いられていますが、本記事では他記事と表記を合わせる観点から「人材」となっている点、ご容赦ください)

ソリューション人材の育成

ソリューション人材の育成

(出所:同行ホームページ

横浜銀行は「ソリューション・カンパニー」を目指す姿として掲げ、ソリューションビジネスの収益力強化を図るべく、量(ソリューション人員の増加)・質(一人当たりソリューション収益の増加)両面の強化を図っています。

以下では、同行が描くソリューション人材の育成について見ていきます。

ソリューション人材のイメージ

ソリューション人材のイメージ

(出所:同行ホームページ

横浜銀行が描く「ソリューション営業力の高い人材像」がこちらです。

・ソリューション収益 3億円(年)

・業務経験 営業店3か店

・戦略ソリューション提供件数 5件

・保有資格 中小企業診断士

このように「一定の業務経験」や「資格に裏打ちされた知識・スキル」に基づき、顧客宛に「戦略ソリューションの提案」ができ、それを「ソリューション収益」につなげられる人材がソリューション営業力の高い人材と位置付けられています。

同行のソリューション人材の育成は、このようなソリューション営業力の高い人材の育成を目指して実施されていると言えます。

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人的資本への投資

人的資本への投資

(出所:同行ホームページ

横浜銀行は、ソリューション人材を中心に人的資本への投資を積極化しており、2023年度は計15.3億円(一人当たり1.0百万円)の投資を行っています。投資額は、「人づくり」「組織づくり」「環境づくり」といった同行の人材戦略の3つの基本テーマに沿って、外部出向費用や自己啓発支援金などに充てられています。

また、今後も一人当たりソリューション収益額を増加させるべく、年平均+0.1百万円ずつ人的資本投資を増加していくことを計画しています。

教育研修投資

ソリューション人材育成のため、部門別・スキル別の集合研修やeラーニング、外部派遣研修などを活用した教育研修投資を積極的に行っています。

2022年度教育研修投資実績:研修費用1.4億円、年間総研修時間51,040時間、一人あたり研修時間14.1時間、研修参加人数1,473名

営業店|スキル認定制度

横浜銀行では、営業店におけるソリューション人材の増加を図るべく、スキル認定制度を導入しています。同制度では、各従業員の「スキル習熟度」「教養」「実績」の3要素を半年ごとに確認し、法人・個人部門それぞれのソリューション営業担当者としてのスキルレベルを可視化しています。

OJTとOff-JTの連動

同行は「OJTとOff-JTを強く連動させた人材育成」を行っています。Off-JTでは、部門別・スキル別の集合研修などにより、着実なスキルの習得・定着を図っています。また、OJTとして、Off-JTでの習得内容を現場で活かせるような案件に関与します。このような「Off-JT→OJT」の連動により、各従業員がスキル向上と成長を実感できる人材育成を行っています。

ソリューション本部

本部のソリューション部門においては、政府系金融機関やメガバンクへの教育派遣などにより、高付加価値なソリューション提案をできる能力の獲得を図っています。また、本部のソリューション部門経験者が営業店の役席者となり、若手・中堅のソリューション提案力の向上を図る人事ローテーションにより、組織的なソリューション提案力の向上も図られています。

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以上、同行がソリューション・カンパニーを目指す上で最も力を入れていると思われるソリューション人材の育成方法について見てきました。

続いて、各銀行とも力を入れているIT・DX人材の育成について見ていきます。

IT・DX人材の育成

IT・DX人材の育成

(出所:同行IR資料「人材戦略」)

横浜銀行は、同行のデジタル戦略の実現に向けた高い専門性が求められるIT・デジタル部門の人材について、スキル要件を定義し、スキルチェックに基づいた計画的な人材育成を図っています。

DXアカデミー・DXライセンス

同行は、IT・デジタル部門を希望する従業員を対象とした選抜型実務研修(DXアカデミー)を実施しています。同研修の修了者にはDXライセンス(社内資格)が認定されます。

タレントマネジメント

横浜銀行は、株式会社プラスアルファ・コンサルティングのタレントマネジメントシステム「タレントパレット」を導入し、「スキルの可視化」や「適材適所の人材配置」の実現を目指しています。

同行は、人事データを管理するだけではなく活用し、経営戦略と人材戦略の連携を密にし、より効率的な人材ポートフォリオの運営を行うべく、タレントマネジメントシステムを導入したものと推察されます。

まとめ

最後にまとめです。

・横浜銀行がフォーカスしているのは、ソリューション・カンパニーを実現するためのソリューション人材及びデジタル戦略を担うIT・デジタル人材の育成。

・ソリューション人材の育成には人的資本投資・教育研修投資の他、スキル認定制度などが活用されている。

・IT・デジタル人材の育成には、選抜型実務研修「DXアカデミー」を実施。修了者には「DXライセンス」を認定。

・タレントマネジメントシステムの導入により、「スキルの可視化」と「適材適所の人材配置」の実現を目指している。

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