目次
DDとは、M&Aの取引の実施に先立ち、買い手が、取引の対象となる会社そのものや売り手につき調査するものです。
DDにはいくつかの分野がありますが、一般的なM&Aにおいて実施されるDDの分野は、以下の3つです。
- 法務
- 財務税務
- 事業(ビジネス)
本記事では、それぞれのDD分野の概要と専門家につき、検討します。
なお、M&Aに登場する関係者の全体像については【図解】M&Aの当事者とそれを取り巻く関係者の役割とはで詳しく取り上げていますので、まずはこちらを読んでから本記事に進むのがおすすめです。
また、本記事の内容はこちらの動画でもご覧いただけます。
《執筆者》
PEファンド・M&Aアドバイザリーの実務経験があるSOGOTCHA(ソガッチャ)スタッフが執筆しました。
M&AにおけるDD専門家とは
DD専門家とは、M&Aにおいて売り手や対象会社に対する買収監査(デューディリジェンス、DD)を実施する専門家のことです。
具体的には、DDを専門とする
- 弁護士(法務)
- 公認会計士・税理士(財務税務)
- コンサルティング会社(事業、ビジネス)
が担当します。
DDは、M&Aの取引の実施に先立ち、取引の対象となる会社そのものや売り手につき調査し、
- そもそもM&Aを実施しても問題ない会社か?(ディールブレーカーは無いか?)
- 当初想定していた通りの会社か?(価格や条件面での調整は必要か?)
などの点につき精査するものです。
買い手は、DDを通じて、M&Aの取引実施に関わる問題点や留意点がないかを検証します。
仮にDDで重大な問題点を見逃した場合、買い手にとって不利な状況(本来想定した価格より高く買ってしまう場合や、その問題点を事前に把握していればそもそも取引をしなかった場合など)に陥ってしまうため、DDは買い手にとって非常に重要なプロセスであると言えます。
DDの分野と専門家
DDは、法務・財務税務・事業(ビジネス)・人事労務・環境・ITなどの対象分野があり、それぞれの分野をそれぞれの専門家が担当します。
また、一般的なM&Aにおいて実施されるDDの分野は、以下の3つです。
- 法務
- 財務税務
- 事業(ビジネス)
以下、それぞれのDD分野の概要と専門家につき、検討します。
法務DD:弁護士
まず、法務DDにつき検討します。
法務DDは、売り手や対象会社の法務面につき精査するものであり、主に弁護士がDD専門家として担当します。
法務DDの具体的な調査対象としては、例えば以下のようなものが挙げられます。
- 現在の株主や過去の株式取引の内容
- 主要取引先との契約関係
- 株主総会や取締役会の実施状況
- 労務管理の適法性
- 金融機関との契約関係
- 許認可や法令遵守の状況
法務DDの詳細については、【図解】法務DDとは?目的・スコープ・プロセス・期間・費用などの記事をご覧ください。
財務税務DD:公認会計士・税理士
次に、財務税務DDにつき検討します。
財務税務DDは、対象会社の財務・税務面につき精査するものであり、主に公認会計士・税理士が担当します。
財務税務DDの具体的な調査対象としては、以下のようなものが挙げられます。
- 決算書の精査(粉飾の検証)
- 未払税金の有無
- 正常収益力の検証
- 時価純資産の試算
- 売掛金や棚卸資産の健全性
財務税務DDの詳細については、別途検討します。
事業(ビジネス)DD:買い手・コンサルティング会社
続いて、事業(ビジネス)DDにつき検討します。
事業(ビジネス)DDは、対象会社の事業内容につき精査するものであり、主に買い手自身やコンサルティング会社によって実施されます。
事業(ビジネス)DDの具体的な調査対象としては、以下のようなものが挙げられます。
- 正常収益力の検証
- 製品・サービスごとの利益率や成長性
- マーケティングの方法・内容
- 競合他社との差別化要因
- 対象会社自身のコアコンピタンス
まとめ
さて、今回はM&AにおけるDD専門家について取り上げました。
なお、本記事の内容はこちらの動画でもご覧いただけます。
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