メザニンとは?資本増強や成長資金調達の場面で活用されるコーポレートメザニン

メザニンとは?資本増強や成長資金調達の場面で活用されるコーポレートメザニン

メザニンとは?資本増強や成長資金調達の場面で活用されるコーポレートメザニン

メザニンシリーズ第4回の今回は、コーポレートメザニンについてご紹介しようと思います。

コーポレートメザニンとは、成長資金の調達や資本増強のために、その当事者である会社がメザニンを利用するものです。

なお、本シリーズの各記事はリンクから飛べますので、ぜひあわせてご覧ください。

第1回:【図解】メザニンファイナンスとは?シニア・メザニン・エクイティの違い

第2回:【図解】劣後ローンとは?そのメリットを優先株式と比較しながらわかりやすく解説します

第3回:【図解】メザニンとは?M&Aによる買収の場面で活用されるバイアウトメザニン

《執筆者》

PEファンド・M&Aアドバイザリーの実務経験があるSOGOTCHA(ソガッチャ)スタッフが執筆しました。

メザニンファイナンスとは

メザニンファイナンスとは

メザニンファイナンスは、負債と純資産の間に位置し、ミドルリスク・ミドルリターンの特徴を持つファイナンスのことです。

1階部分にあたる純資産と、2階部分にあたる負債の間にあることから、中二階を意味するメザニンと呼ばれます。

なお、【図解】メザニンファイナンスとは?シニア・メザニン・エクイティの違いで詳しく解説していますので、まずはこちらの記事をご覧ください。

▽関連動画:メザニンファイナンスって??/メザニン(1)【M&Aのプロが解説!】

コーポレートメザニンとは

コーポレートメザニンとは

メザニンファイナンスは、その活用場面によって次の2つに分類できます。

  • バイアウトメザニン…M&Aによる買収(バイアウト)の場面で、買い手が買収資金の一部としてメザニンを利用するもの
  • コーポレートメザニン…成長資金の調達や資本増強のために、その当事者である会社がメザニンを利用するもの

本記事ではコーポレートメザニンを取り上げ、深堀していきます。

▽関連動画:バイアウトメザニンとコーポレートメザニンって??/メザニン(6)【M&Aのプロが解説!】

コーポレートメザニンの2つの活用場面

コーポレートメザニンの2つの活用場面

コーポレートメザニンが活用される場面として、例えば次の2つが挙げられます。

  • 資本増強
  • 成長資金

資本増強は、一過性の特別損失などにより純資産が毀損した場合、資本力を強化するためにメザニンを活用するケースです。

成長資金は、急成長する企業の資金ニーズがローンによる調達のキャパシティを超えた場合、その資金ニーズを埋め合わせるためにメザニンを利用するケースです。

各ケースについて、いずれもメザニンの調達主体である会社がどのような理由・目的でメザニンを活用するのか、詳しく見ていきましょう。

▽関連動画:バイアウトメザニンとコーポレートメザニンの5つの活用場面とは??/メザニン(7)【M&Aのプロが解説!】

資本増強

コーポレートメザニンの2つの活用場面(資本増強)

まず、資本増強のためにコーポレートメザニンが活用されるケースです。

メザニンを調達する会社がコーポレートメザニンを利用する主な理由・目的は、次の2つです。

  • 資本力の強化や債務超過の解消
  • 資金ニーズの充足(資金の確保)

例えばこの会社が本業以外の事業や一過性の要因によって資本が毀損してしまったり、債務超過に陥ってしまったりしたとします。

その場合、金融機関からの要請で、融資継続や追加融資の条件として資本の増強を求められるケースがあります。

ここでメザニンを調達することで、その条件をクリアすることができます。

また、資本を強化するだけでなく、資金ニーズそのものも充足することができます。

▽関連動画:コーポレートメザニン(1)資本増強のためにメザニンを活用する理由【M&Aのプロが解説!】

成長資金

コーポレートメザニンの2つの活用場面(成長資金)

次に、成長資金の確保という観点から、コーポレートメザニンを活用する理由と目的について考えてみましょう。

主に次の2つが挙げられます。

  • 資金ニーズの充足(資金の確保)
  • 資本蓄積にかかる時間の短縮

例えば成長局面にある企業の場合、資金ニーズと資本調達力にギャップがあるケースがあります。

つまり、これから事業を拡大していくにあたり多くの資金が必要なのに、担保資産が不十分だったり資本の蓄積が少なかったりという理由から、金融機関からの融資を受けられないといったケースです。

このような場合でも、メザニンはより深いリスクを許容できるため、成長に必要な資金を調達することが可能です。(※ただし、金融機関から調達するローンに比べるとコストは高くなります。)

また前述の通り、成長過程にある企業の場合は資金ニーズに対して資金調達力が追いついていないことがあります。

しかし、コーポレートメザニンの調達によって資本力を強化することで、資金調達力がアップし、金融機関から追加の資金調達ができる可能性もあります。

資本力の強化、すなわち毎期の利益の積み上げだけでは数年かかるであろう資本の蓄積を、メザニンを調達することで実現できる=資本蓄積にかかる時間が短縮できるということです。

▽関連動画:コーポレートメザニン(2)成長資金のためにメザニンを活用する理由【M&Aのプロが解説!】

まとめ

さて、今回はコーポレートメザニンについてお届けしました。

元々、コーポレートメザニンは主に資本増強のために利用されていました。

一方で、近年は景気好調を背景に、成長資金としてのコーポレートメザニンの利用が増加しています。

ただし、今回のコロナショックの影響で一時的に業績が悪化し、資本増強のニーズが増加しそうですね。

このような観点から、当面は資本増強のためのメザニンの利用が増えるのではと考えています。

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