広島銀行の人材戦略|ゼネラリストとスペシャリスト

広島銀行の人材戦略|ゼネラリストとスペシャリスト

広島銀行の人材戦略|ゼネラリストとスペシャリスト

この記事では、広島銀行(ひろぎんホールディングス)の中期経営計画統合報告書などを基に、同行の人材戦略にフォーカスして整理しています。

同行の人材戦略のポイントは、以下の通りです。

・10年後の目指す姿の柱は、「機能=業務軸の進化・拡大」と「体制(人材)=人的資本の最大化」の2つ

・経営基盤強化戦略として6つの注力分野を挙げ、そこを担う専門人材の拡充及び人材ポートフォリオマネジメントを実施

・人材育成の施策として、専門性の高度化、次世代経営者の育成、タレントマネジメントなどを実施

以下、詳しく見ていきます。(同行の資料では「人財」という表記が用いられていますが、本記事では他記事と表記を合わせる観点から「人材」となっている点、ご容赦ください)

10年後の目指す姿|2つの柱

10年後の目指す姿|2つの柱

(出所:中期経営計画

広島銀行は、10年後を見据え、企業価値の向上を実現するための柱として「機能」と「体制(人材)」の2つを挙げています。

①機能=業務軸の深化・拡大

金融・非金融両面でのソリューション提供やアライアンスによるサービスラインナップの補完、グループ連携の強化などにより、いわゆる両利きの経営(事業の深化と探索)を志向しているものと思われます。

②体制(人材)=人的資本の最大化

広島銀行グループが求める人材として、2つのタイプが明示されています。

・専門性とマネジメント能力を持ち合わせたゼネラリスト

・ソリューションを生み出すスペシャリスト

また、リスキリングなどによる自律的なキャリア形成の支援やエンゲージメントなど、人的資本の最大化を通じて企業価値の向上を実現することが企図されています。

価値創造戦略を支える人材戦略

価値創造戦略を支える人材戦略

(出所:中期経営計画

前述の通り、同行は「機能:業務軸の深化・拡大」と「体制(人材):人的資本の最大化」を通じた「企業価値の向上」を目指しています。企業価値向上のための具体的な戦略は「価値創造戦略」として策定され、それを支える取組として「経営基盤強化戦略」が立案されています。

経営基盤強化戦略は、上図の通り、「①人的資本投資の拡充(リスキリング等)→②専門人材のポートフォリオマネジメントの強化→③注力分野の体制強化(リソース強化)」というステップが計画されています。

①人的資本投資の拡充(リスキリング等)

地域開発ビジネス、非金融分野など、注力分野のスキル習得支援が予定されています。

②専門人材のポートフォリオマネジメントの強化

①によるスキル習得(リスキリング)を含め、注力分野を担う人材の採用・育成・配置等、注力分野に連動した人材マネジメントが計画されています。

③注力分野の体制強化

「地域開発ビジネス」「有価証券運用・ALM」「法人分野(エクイティ・船舶含む)」「非金融分野」「ウェルスマネジメント」「IT・デジタル・MEJAR関連」の6分野が注力分野として挙げられており、これらを強化するための戦略的な人員配置・体制見直しが予定されています。

人材育成の施策|①専門性の高度化

人材育成の施策|①専門性の高度化

(出所:統合報告書

中期経営戦略では、広島銀行が求める人材について、以下の通り明示しています。

・専門性とマネジメント能力を持ち合わせたゼネラリスト

・ソリューションを生み出すスペシャリスト

同行は、従業員が自己の適性に応じて「バンキング」と「アセットマネジメント」のいずれかを選択し、各分野での専門性を高めるための人材育成を行っています。また、IT分野やマーケット分野など、特定の分野でさらに専門性の高度化を追求することも可能となっています。各業務ごとにスキルレベルの最終ゴールが設定された「マイスター認定制度」が採用されています。

また、従業員の自己啓発を支援する取組みとして、平日業後や土曜日開催の自由参加型セミナー「フリーカレッジ」やPC・スマホでの「自宅学習サポートシステム@Home-Web」など、能動的・積極的な学びの環境を整え、職員の自己研鑽を促しています。

リスキリングのための投資額として、2022年度は52百万円を拠出しています。

人材育成の施策|②次世代経営層の育成

広島銀行は、将来の経営者候補育成として「ひろぎん経営塾」を実施しています。「ひろぎん経営塾」は「実践」「上級」「中級」の3つに分けられ、それぞれ次のような内容をテーマとしています。

実践:使命感醸成プログラム、組織変革

上級:テクノベート・ストラテジー、デザインシンキング、リーダーシップ

中級:経営戦略、マーケティング、影響力強化、事業革新

人材育成の施策|③タレントマネジメント

同行は、個々の従業員の適正やキャリア志向、スキルを把握し、人的資本の最適化を図るため、タレントマネジメント機能を備えた人事システムを2024年度の導入に向けて準備しています。

まとめ

最後にまとめです。この記事では、広島銀行の中期経営計画統合報告書などを基に、同行の人材戦略にフォーカスして整理しました。

同行の人材戦略のポイントは、以下の通りです。

・10年後の目指す姿の柱として、「機能=業務軸の進化・拡大」と「体制(人材)=人的資本の最大化」の2つを挙げ、「機能」を担うための「体制=人材」の構築が計画されている

・同行が求める人材は「専門性とマネジメント能力を持ち合わせたゼネラリスト」と「ソリューションを生み出すスペシャリスト」

・経営基盤強化戦略における注力分野は、「地域開発ビジネス」「有価証券運用・ALM」「法人分野(エクイティ・船舶含む)」「非金融分野」「ウェルスマネジメント」「IT・デジタル・MEJAR関連」の6つ

・人材育成の施策として、専門性の高度化、次世代経営者の育成、タレントマネジメントなどを実施

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