目次
こちらの記事では、千葉銀行の人材戦略の全体像を取り上げました。この記事では、千葉銀行の人事戦略の内、人材育成戦略にフォーカスします。
同行の人材育成戦略の主なポイントは、以下の通りです。
・人材育成の予算・育成人数はほぼ倍増。
・人材育成の中心は「専門人材」「DX人材」「経営人材」の3タイプ。
・学習支援プラットフォーム「ちばぎんアカデミー」で6,000本以上の動画コンテンツを提供。
・各人が目指すキャリアの実現を支援する「キャリアステップ支援」を実施。
以下、詳しく見ていきます。
人材育成の予算
(出所:IR資料「2024年3月期 決算説明会」)
同行の中期経営計画(2023〜2025年度)では、人材育成のための予算(=投資額)の拡大が掲げられています。具体的には、2021年3月期の173百万円から2026年3月期に414百万円と2倍以上に拡大する見通しです。
これらの予算は、以下のような投資に充てられるとのことです。
・経営・管理職育成強化
・DX人材育成強化
・ちばぎんアカデミー育成コンテンツ購入
・自己啓発支援
人材育成の育成人数
(出所:同行IR資料「DX戦略・人材戦略」)
育成人数についても、前中計時の148名から今中計では280名へとほぼ倍増を計画しています。
育成対象は大きく3つの人材タイプに分けられ、それぞれの育成対象者の数は以下の通りです。
専門人材 190名
・個人営業 50名
・法人営業 50名
・本部人材(法人ソリューション、審査、マーケット、企画等) 90名
DX人材 60名
経営人材 30名
人材育成の3タイプ|専門・DX・経営人材
(出所:同行IR資料「DX戦略・人材戦略」)
2023〜2025年度中計において、同行が育成強化を掲げている人材タイプは、専門人材・DX人材・経営人材の3タイプです。
専門人材
大きく営業店(法人営業・個人営業)と本部の2つに分けられます。
営業店(法人営業・個人営業)
営業店においては、法人営業50名・個人営業50名を対象に、コンサルティング提案のスペシャリストの育成が図られています。育成施策として、次のようなものが挙げられます。
・プロフェッショナル認定制度:プロ認定を目指した育成支援。具体的には、ちばぎんアカデミーや実践研修を通じて育成。
・法人・個人トレーニー制度:本部・グループ会社で実習・実践。また、営業力を鍛える大学講座へも派遣。
本部
本部では、法人ソリューション、審査、マーケット、企画等の各分野の合計90名を対象に、ソリューション提供のスペシャリストの育成が図られています。他社や本部に1〜2年程度トレーニーとして派遣され、専門領域を磨き上げることが期待されています。
DX人材
DX人材としては、DX戦略を加速する人材を増やすべく、60名が育成対象となっています。同行はITリテラシーに応じてDX人材を「DXベース人材」「DXコア人材」「DX専門人材」の3つに分けています。
DXに一定のリテラシーを有する「DXベース人材」は既に1,000名超に及んでいますが、DXコア人材養成コースやDX専門人材養成制度により、よりDX分野の専門性に特化した人材の育成が図られています。
経営人材
経営人材は、成長戦略を牽引する人材を増やすべく、30名が育成対象となっています。大きくは「経営幹部候補」と「管理職」の2つに分けられています。
経営幹部候補
社会人大学や異業種交流など、経営幹部向け研修への派遣が予定されています。
管理職
半年間のコーチングプログラムや所属長向け評価者研修などが予定されています。
人材育成施策|ちばぎんアカデミー
(出所:同行プレスリリース)
千葉銀行は、人材育成の学習支援プラットフォームとして、オンラインを活用した企業内大学「ちばぎんアカデミー」を創設しています。同プラットフォームは、以下のような特徴を有しています。
・スマホやPCで、いつでもどこでも好きなタイミングで学習可能
・業務・階層のレベルに合わせた一人ひとりの学習メニューのレコメンド
・業務から自己啓発まで、1,500タイトル・動画6,000本超の豊富なコンテンツ
・学習効果が証として残るデジタルバッジ・ランキング
株式会社マーブルは、千葉銀行様のちばぎんアカデミー宛に動画コンテンツを提供させて頂いております。弊社サービスの内容は、弊社のeラーニング動画コンテンツサービスSOGOTCHA PLUS+(ソガッチャプラス)をご覧ください。 |
人材育成施策|キャリアステップ支援
(出所:同行IR資料「DX戦略・人材戦略」)
同行は、職員自らが希望するキャリアの実現が、お客さまへの価値提供や職員自身の働き、同行に対するエンゲージメントの向上につながるとの考えから、各職員のキャリア実現を後押しする「キャリアステップ支援」を実施しています。
中計の期間に合わせ、まず最初に3年後のなりたい自分を「目指すべき姿」として具体化し、各人のキャリアデザインに合わせて「学習・挑戦・実践」の機会を提供しています。
学習:ちばぎんアカデミーによる学習支援。専用の学習プログラムや4,000本に及ぶ動画コンテンツを提供。
挑戦:トレーニーの大幅拡充。専門・DX・経営人材を中心に育成を支援。
実践:専門性を活かす配置。人事面談を育成支援の面談に見直し、キャリア実現意欲の高い職員の配属希望を実現。
まとめ
最後にまとめです。この記事では、千葉銀行の人材戦略の内、人材育成戦略にフォーカスして取り上げました。
・千葉銀行は、2023〜2025年度の中期経営計画で、人材育成の予算・人数ともほぼ倍増を掲げています。
・人材育成の中心は、「専門人材」「DX人材」「経営人材」の3タイプです。それぞれ「専門人材=190名」「DX人材=60名」「経営人材=30名」の育成が予定されています。
・人材育成のため、オンラインでの学習支援プラットフォーム「ちばぎんアカデミー」を創設し、1,500テーマ・6,000本超の動画コンテンツを提供しています。・各人の目指すキャリアの実現を支援すべく、「キャリアステップ支援」を実施しています。