福岡銀行の人材戦略|戦略的人材ポートフォリオとエンゲージメント向上

福岡銀行の人材戦略|戦略的人材ポートフォリオとエンゲージメント向上

福岡銀行の人材戦略|戦略的人材ポートフォリオとエンゲージメント向上

この記事では、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)のIR資料統合報告書などを基に、福岡銀行・熊本銀行・十八親和銀行・福岡中央銀行の4行から構成されるFFGの人材戦略にフォーカスして整理しています。

FFGの人材戦略のポイントは、以下の通りです。

・人材戦略は「戦略的人材ポートフォリオ」と「エンゲージメント向上」を2本柱とし、それを支える「DE&I推進」と「組織風土の醸成」が2つの土台

・柱①戦略的人材ポートフォリオは、「採用→育成→配置」の3点を重視しつつ、特にソリューション人材とDX/デジタル人材の育成を企図

・柱②エンゲージメント向上は、「グループへの共感」「処遇・仕事内容への満足」「働き方の多様化」の3要素の向上による実現を企図

・土台①DE&I推進・②組織風土醸成を通じ、多様な個人が自律・自走する活力ある組織の実現を企図

以下、詳しく見ていきます。(FFGの資料では「人財」という表記が用いられていますが、本記事では他記事と表記を合わせる観点から「人材」となっている点、ご容赦ください)

人材戦略|2つの柱と2つの土台

人材戦略|2つの柱と2つの土台

(出所:IR資料

FFGの人材戦略は、2つの柱及び2つの土台から策定されています。

柱①戦略的人材ポートフォリオ

第1の柱は、事業戦略を実現する人材ポートフォリオです。多様な人材の採用及び戦略を実現する人材育成を通じ、最適かつ柔軟な人財育成を実現します。

強化する人材として、ソリューション人材(営業店の営業担当者を育成)、DX/デジタル人材(企画・管理担当から育成)が挙げられています。

柱②エンゲージメント向上

第2の柱は従業員エンゲージメントの向上です。理念・ビジョンへの共感や処遇・仕事内容への満足、働き方の多様化を通じ、FFGに貢献したいという従業員の自発的意欲の向上を企図しています。

土台①DE&Iの推進・②組織風土の醸成

「戦略的人材ポートフォリオ」と「エンゲージメント向上」の2つの柱を支える土台として、「DE&Iの推進」及び「組織風土の醸成」が挙げられています。「DE&Iの推進」はここの従業員の最大限の能力発揮、「組織風土の醸成」は心理的安全性の確保を目指すものであり、これらを通じて多様な個人が自律・自走する活力ある組織となることを目指しています。

柱①戦略的人材ポートフォリオの構築

柱①戦略的人材ポートフォリオの構築

FFGは、スピード感を持って事業戦略を実現するためには、急速な事業環境の変化に対応できる多様な人材・スキルの獲得・育成が必要としています。そのため、採用の多様化、研修・自己啓発メニューの拡充、自律的なキャリア開発などを通じ、戦略的な人材ポートフォリオの開発に努めています。

多様な人材の採用

銀行本部のソリューション部門やデジタル・IT部門での高い専門性を担う人材の新卒・中途採用に努めています。

戦略を実現する人材育成

「武者修行」として、常時40〜50名程度の若手行員が医療・不動産・ITなどの企業に出向し、専門知識を習得しています。また、自己成長やキャリア実現に向けた自己啓発奨励金制度では、2022年度は55百万円を計上しています。加えて、サタデーカレッジやイブニングセミナー、eラーニングなどの自己研鑽の機会も提供しています。

最適かつ柔軟な人材配置(ソリューション/デジタル人材)

OJTによる「リアル」と情報・ノウハウ共有による「デジタル」の両面から営業店担当者のスキル向上を図り、ソリューション人材としての育成を進めています。また、テクノロジーの進歩が早くビジネス範囲も広がりを見せる中、デジタル人材の採用・育成にも努めています。

柱②従業員エンゲージメントの向上

柱②従業員エンゲージメントの向上

事業戦略の実現に向けて、個々の従業員が自発的に行動し、最大限のパフォーマンスを発揮するためには、エンゲージメント向上が不可欠であるとしています。そのためには、こちらの3つが重要だと考えられています。

FFGへの共感

経営理念・ビジョンの浸透・共感による個々人のモチベーション向上を目的とし、ブランドブックの配布や経営陣から従業員へのメッセージの場(営業店/本部フォーラム)、若手行員が所属の垣根を超えて立案・運営するプロジェクトなどが実施されています。

処遇・仕事内容への満足

従業員それぞれの自己実現を可能とするキャリアパスの充実や納得感ある処遇を整備すべく、1on1ミーティングの実施やキャリアチャレンジ制度の設置を行っています。また、キャリアパスを多用化すべく、専門人材としての道を極めるスペシャリストコースや事務業務のスペシャリストとなるカスタマーサービスコースなどが設置されています。

働き方の多様化

各人のバックグラウンドの多様性を尊重し、ワークライフバランスの両立によるウェルビーングの向上を図るべく、フレキシブル休暇や時間単位有給休暇、転勤へのパートナー帯同制度などが提供されています。

土台①DE&I・②組織風土

「戦略的人材ポートフォリオ」と「エンゲージメント向上」という人材戦略の2つの柱を支える土台として、「DE&I推進」と「心理的安全性が確保された組織風土」が挙げられています。

DE&I推進

産前産後休暇や育児休業、復職プログラムなどの育児・介護との両立支援や、女性を対象とした各種研修・勉強会などを通じた女性のキャリア形成、LGBTQやアンコンシャスバイアスなどDE&Iに関する理解促進などを実施しています。

心理的安全性が確保された組織風土

多様性ある従業員が自由闊達に意見が言える環境こそが企業の持続的成長に不可欠との考えの下、「心理的安全性」の確保・理解浸透に努めています。同行グループは、組織風土に関わる「平時の健康診断」として、2011・2017・2022年度の3回に渡り、第三者評価を実施しています。

人材育成|スキルアップ支援

FFGは、専門性ある人材の育成のため、以下のような施策を実施しています。

サタデーカレッジ/イブニングセミナー

業務知識や人間力を高めるための休日・平日業後のセミナー

eラーニング

マーケットやDXに関する動画や資料を自宅PCやスマホで視聴可能

ライセンス奨励金制度

キャリア・業務に応じた資格取得など、スキル向上への取り組みの支援制度

外部スクール費用補助制度

外部セミナーや通信講座等の受講にかかる一部費用を負担し、各自の自己成長やキャリア形成に向けた主体的な自己啓発を支援する制度

TERAKO-YAH!

受講生自身が自ら学びたいことを考え、主体的に学び、成長する学びの場。先輩従業員がリーダーとなり、体験談やアドバイスを提供

まとめ

最後にまとめです。この記事では、福岡銀行・熊本銀行・十八親和銀行・福岡中央銀行の4行から構成されるふくおかフィナンシャルグループ(FFG)の人材戦略にフォーカスして整理しました。FFGの人材戦略のポイントは、以下の通りです。

・人材戦略の柱は「戦略的人材ポートフォリオ」と「エンゲージメント向上」の2つ。それらを支える土台が「DE&I推進」と「組織風土の醸成」の2つ

・柱①戦略的人材ポートフォリオは、「採用→育成→配置」の3点を重視しつつ、特にソリューション人材とDX/デジタル人材の育成を企図

・柱②エンゲージメント向上は、「グループへの共感」「処遇・仕事内容への満足」「働き方の多様化」の3要素の向上による実現を企図

・土台①DE&I推進・②組織風土醸成を通じ、多様な個人が自律・自走する活力ある組織の実現を企図

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